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期門(きもん) |

期門は「肝経の終着点」であると同時に「身体と感情の始発点」ともいえる存在です。
ここを単なる肝の募穴としてだけではなく、**その人の内的変容の“通過点”**として捉えます。
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英語
Liver(LV)14
Qi Men(Cycle Gate)
期門(きもん)
足の厥陰肝経14
The Liver Meridian of Foot-Jueyin
期門
きもん
kimon
取穴部位
仰臥位でリラックスした状態にて、乳頭線(中乳線)上、第6肋間をたどると肋骨の下縁(第9肋軟骨付着部)が触れます。
この下際、肋骨弓の最下部にあたる柔らかなへこみ部が「期門」です。
呼吸に伴い微妙に上下するため、腹式呼吸を観察しながら位置を特定すると正確性が高まります。
筋肉
外腹斜筋、内腹斜筋(深層には腹横筋)
運動神経
肋間神経(第6~9肋間神経)
知覚神経
肋間神経前皮枝・外側皮枝
血管
肋間動脈・上腹壁動脈の枝
主治
- 肝気鬱結による胸脇部痛、側腹部の張り
- 胃腸障害(食欲不振・嘔気・口苦)
- 不眠、夢が多い、怒りやすい、情緒不安定
- 肝炎、胆のう機能低下、慢性疲労
- 女性の月経不調、肝鬱によるPMS
名前の由来
「期」は“節目・重要な時”、「門」は“出入り口”の意。 期門とは、**内なる変化が表面化するタイミングの門**であり、 感情・生理・内臓活動が「外へ現れる準備が整った地点」と解釈できる。
このツボは肝経の終点であると同時に、**肝の募穴(肝に関する情報が集まる場所)**でもある。
つまり「肝のエネルギーが満ちたとき、出口となって現れる要所=期門」である。
臨床的意義(独自視点)
- 「息がつまるような怒り」「言葉にならない葛藤」は期門に集まりやすい。
- 身体の“外向きエネルギー(外表への伝達)”と“内なる意志(内蔵への還元)”の切り替え地点。
- 右の期門の圧痛が強い場合、肝うっ血や胆のう機能低下を疑う。
- 左の期門は、胃の状態や情緒によるみぞおちの詰まり感と関係する。
- 鍼では、過剰な刺激よりも“触れるだけ”のアプローチが効く。
東洋思想との接点
期門は「肝」のエネルギーが極まって外へと向かう最終地点であり、
陰から陽、内から外への転換を象徴する。
中医学的には「肝は将軍の官、謀慮を主る」とされ、
計画・思考・決断を担うが、それが上手く実行されないと「気が詰まる」。
期門の詰まりは「言いたいことが言えない」「動きたいのに動けない」など、
**精神と行動の間のギャップ**として現れる。
このツボに触れることで、その人が今何に“止まっている”のかを知ることができる。
それは“人生の節目(期)”を乗り越えるための「気の門」であるとも言える。
補足事項
- 自律神経系の緊張が強い患者に対して、腹式呼吸を誘導しながら温灸や軽擦するとよく作用する。
- 感情解放系のカウンセリングと併用することで、**心と体の両側面にアクセスできる**。
- 右の期門は臨床的に肝臓・胆嚢のリアルな反応点であることが多く、施術前後の圧痛の変化に注目すべき。

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