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経絡・経穴(ツボ)

曲垣(きょくえん)

「やわらかく守る、自分だけの内なる庭」

心が疲れたとき、肩甲骨の内側に宿る“曲がった囲い”は、

外界と健全な距離をとるための知恵です。

静かに緩め、ゆっくり深呼吸することで、自分の気を取り戻す場所となるでしょう。

英語
Small Intestine(SI)13
Qu Yuan(Crooked Wall)

曲垣(きょくえん)

手の太陽小腸経13
The Small Intestine Meridian of Hand-Taiyang

曲垣
きょくえん
kyokuen

取穴部位
肩甲棘内端の上際、棘上窩の内側端。
肩甲骨の内側縁と肩甲棘の合流部に指を滑らせると触れられる陥凹部。

筋肉
棘上筋、僧帽筋上部線維

運動神経
肩甲上神経、副神経、頚神経叢筋枝

知覚神経
胸神経後枝(T1〜T3)

血管
頚横動脈、肩甲上動脈

手の太陽小腸経

主治
・肩甲部から頚部にかけての強張り、こわばり感
・頚椎〜肩甲部の可動域制限、緊張性の頭痛
・五十肩の初期段階での「肩甲骨が動かない」感覚
・慢性的な姿勢不良による肩内側の筋肉疲労
・気の上衝によるイライラ、精神的な硬直感

名前の由来(オリジナル解釈)
「曲」は“折れ曲がる”“隠れる”ことを意味し、「垣」は“囲い・結界”を示す。
すなわち「曲垣」とは、身体と精神の要所を守る“湾曲した内なる囲い”
外部からの刺激や邪気、過剰な感情を、このカーブで柔らかく受け止めながら遮断する役割を果たす。
また、肩甲骨という可動性の高い骨の内側にあることから、「柔軟に守る」象徴でもある。

中医学的意義
・小腸経は「陽」に属し、心と表裏をなす経。
・この部位は気の巡りとともに「判断力」「選択」「情報の取捨」と関係が深い。
・曲垣は、他者の感情や情報を“自分の領域に入れるかどうか”を選別するフィルターのような役割を持つ。
・また、肩甲骨周囲の気滞を流すことで、感情の澱みが抜けやすくなる。

象徴的意義と現代的応用
・「肩甲骨が開かない人」は、往々にして過剰な責任感・緊張・自意識を抱えている。
・曲垣は、そうした“内にこもった防御の力”をゆるめる鍵穴のような存在。

・デジタルデトックスが必要な現代人にとって、曲垣を緩めることは、
 「情報の選別」「心の囲い」の再構築につながる。
・とくに、職場や家庭で“過剰に反応してしまう人”にとって、
 ここを緩めることは「外界と健全に距離を取る」ことの第一歩となる。

セルフケアのすすめ
・肩甲骨の内縁に沿って、両手を背中に回して親指で押圧。
・息を吐きながら、親指でやさしく“内側へ押し入れる”ように刺激。
・その状態で目を閉じ、「境界線が柔らかくなる」イメージを重ねると心がほどけやすい。

補足
・呼吸が浅くなりやすい人ほど、曲垣の周囲はこわばりやすい。
・吸う息で「自分を包み」、吐く息で「囲いをゆるめる」意識を持つことで、
 身体と精神の「内外の境界」が自然に調和していく。

→肩外兪(けんがいゆ)

←秉風(へいふう)

→足の太陽膀胱経

←手の少陰心経

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