HOME | 経絡・経穴(ツボ) | 足の陽明胃経 | 乳中(にゅうちゅう)

経絡・経穴(ツボ)

乳中(にゅうちゅう)

「母性・女性性の核」としてのエネルギーポイント

心の自己受容と結びつく“感情の中心”でもある

与えることに疲れた人への気の再循環の要所

刺激よりも“包み込む”ことで真価を発揮する特異な経穴

英語
Stomach(ST)17
Ruzhong(Breast Center)

乳中(にゅうちゅう)

足の陽明胃経17
The Stomach Meridian of Foot Yangming

乳中
にゅうちゅう
Nyuchu

取穴部位
乳頭の中央、乳頭と同じ高さにある第4肋間の位置に取る。
※乳頭の真後ろを意識するのではなく、胸郭の柔らかさとリズムを感じ取りながら左右対称に触診することが重要。

筋肉
大胸筋、小胸筋

運動神経
胸筋神経(内側・外側胸筋神経、C5~T1)

知覚神経
肋間神経前皮枝および外側皮枝(第4肋間)

血管
外側胸動脈、胸肩峰動脈胸筋枝、肋間動脈

足の陽明胃経

主治
・乳房の腫れ、痛み、張り感(月経前症候群含む)
・乳汁の分泌異常(不足・滞り・詰まり)
・乳腺炎、しこり、授乳時の不快感
・胸部の緊張、詰まり感、情緒的な抑圧による呼吸不全感
・更年期の胸の違和感や女性ホルモンの乱れに伴う胸部症状

名前の由来(オリジナル解釈)
「乳」は言うまでもなく乳房を指し、「中」は中心、または本質・核となる部分を意味します。
**乳中とは、“母性の核”に触れる場所。**
単に肉体的な乳房の中心ではなく、「女性性の中心にある気の宿る点」とも言えるのです。
東洋思想では、乳は“与える力”や“命を育むエネルギー”の象徴とされ、このツボは**女性が自らの慈しみと結び直すための場所**でもあります。

象徴的・エネルギー的意義
・乳中は「母の心の真ん中」に位置する経穴であり、自他への愛や育む力のブロックが起きやすい箇所。
・産後や更年期に、「自分が空っぽになったように感じる」時、ここを通じて“母性の再起動”が促される。
・また、自分を責めやすい女性が胸を固くしていることが多く、乳中を優しく開放することで**自己受容の入り口**が拓かれる。

現代的応用・セルフケア
・乳中は非常にデリケートな位置にあるため、**セルフケアでは直接の刺激よりも、温灸や掌での包み込みが適す**。
・深呼吸しながら胸に手を当て、「ありがとう」「大丈夫」と自分に語りかけるワークと併用すると、**自律神経と女性ホルモンの調整に良い影響**がある。

臨床応用メモ
・乳房のしこりや乳汁の詰まりに対して、乳根・屋翳・膺窓と組み合わせて処方すると、**経絡の“乳絡”系の流れを一気に整える**ことができる。
・特に「与えること」に疲れた女性、「もう何も出てこない」と感じている育児期の母親に、**気の補給と気の再流通の鍵となるポイント**として使われる。
・感情とホルモンの両方が胸に絡む場合、このツボは「心と身体の交差点」として用いる価値が高い。

注意点
・施術時はプライバシーを最大限尊重し、触診前の説明や同意を徹底する。
・乳腺炎など炎症を伴う場合は、直接の圧刺激は避け、周囲からの間接的な調整を行う。

→乳根(にゅうこん)

←膺窓(ようそう)

→足の太陰脾経

←手の陽明大腸経

関連記事

胃 東洋医学