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経絡・経穴(ツボ)

乳根(にゅうこん)

母性・女性性の“根”にあたるエネルギーの起点

胸部だけでなく、脾胃・地に足をつける力ともリンク

自己肯定感と安心感を支える経穴としての現代的意義

鍼より“温めてほどく”アプローチが効果的

英語
Stomach(ST)18
Rugen(Breast Root)

乳根(にゅうこん)

足の陽明胃経18
The Stomach Meridian of Foot Yangming

乳根
にゅうこん
Nyukon

取穴部位
第5肋間の乳頭直下の乳頭線上に位置。
乳頭の“根”にあたる位置であり、視覚的な目印だけでなく、皮膚の張力や温度変化にも注目して取穴する。

筋肉
大胸筋(深層に位置)

運動神経
胸筋神経(内・外側胸筋神経)

知覚神経
肋間神経前皮枝および外側皮枝(第5肋間領域)

血管
外側胸動脈、胸肩峰動脈胸筋枝、肋間動脈

足の陽明胃経

主治
・乳房下部の痛み、張り、こわばり(とくに授乳期や月経前)
・乳腺の硬結、下垂、乳房の違和感
・胸郭の可動性制限(胸式呼吸の低下)
・更年期障害による胸部のざわつき、不快感
・消化不良、胃のもたれ(胃経の影響)

名前の由来(オリジナル解釈)
「乳根」とは文字通り、**乳房の“根っこ”**にあたる部位。
“根”は植物において命を支える土台であり、ここでは**女性の滋養力と生命力の土壌**を象徴します。
このツボは、**母性・女性性を支える根の力**を取り戻すための起点であり、エネルギー的に“地に足をつける”感覚とつながる場所といえるでしょう。

象徴的意義と気の流れ
・乳中が「母性の中心」なら、乳根は「母性の根源」。
・感情や役割に揺れる現代女性が「自分を見失った」と感じたとき、**このツボは“自分の源泉”とつながる回路を再生させる**。
・土台が整えば、与えること・受け取ることのバランスも回復していく。

臨床応用メモ
・乳房のトラブルに対して、**乳中+乳根**の組み合わせで「表と裏」「幹と根」の調整が可能。
・精神的な“無力感”や“虚しさ”を訴える女性において、**このツボに反応が出ている場合は気虚+血虚が根底にあることが多い**。
・同時に足三里、中脘、気海など“脾胃を養う補気穴”と併用することで、胃経ライン全体の底上げが可能。

セルフケアアドバイス
・乳根は深部に反応があることが多いため、**軽く温める(温灸、ホットタオル)だけで十分に気が動く**。
・深呼吸とともに、手のひら全体で胸部を包み込むように触れ、「私はここにいていい」と自分に語りかけることで、**安心感と自己肯定感を育てる内観ワーク**としても活用できる。

注意点
・乳房直下に位置するため、**女性への施術時には特に配慮と説明が必要**。
・強い刺激ではなく、**皮膚の下の温度や緩みを感じ取るような“触れる鍼灸”が適す**。
・炎症や乳腺トラブルの急性期には周辺からアプローチし、直接刺激は避ける。

→不容(ふよう)

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