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経絡・経穴(ツボ)

太乙(たいいつ)

宇宙の秩序(太乙)を内に宿す場所 → 「何を受け入れ、何を拒むか」の“選択の消化力”

現代人の「思考過多」や「情報過多」による消化器疲労をケアする重要ツボ

胃のトラブルにとどまらず、感情の受容と処理にも関わる中医学的“統合の場”

英語
Stomach(ST)23
Taiyi(Supreme Unity)

太乙(たいいつ)

足の陽明胃経23
The Stomach Meridian of Foot Yangming

太乙
たいいつ
taiitsu

取穴部位
天枢穴(へその外2寸)から上2寸、下脘穴(へその上2寸)の外2寸に位置。
腹直筋のやや外側に沿うラインで、軽い圧痛または響きのあるポイントが目安。

筋肉
腹直筋(浅層)

運動神経
肋間神経(T7〜T9)

知覚神経
肋間神経前皮枝

血管
肋間動脈、上腹壁動脈、下腹壁動脈

足の陽明胃経

主治
・胃炎、胃痙攣、食滞による腹部膨満感
・逆流性食道炎、しゃっくり、呑酸
・神経性食欲不振、拒食傾向
・精神的ストレスが腹部に集まるタイプの不調(=みぞおちの詰まり感)
・中脘や関門と併用し、気滞・湿滞の中心を緩める目的に

名前の由来(オリジナル解釈)
「太乙」とは、古代中国において天帝を表す言葉であり、**万物の始まりの中心にある“宇宙根源”の象徴**とされる。
この経穴が「太乙」と名づけられたのは、単なる身体のツボというより、**「消化」という営みを通じて命と宇宙をつなぐ場所**であることを示唆している。
現代で言えば「消化=受容力」であり、食物だけでなく、**情報や感情を“どう処理し、どう生かすか”という統合の力を象徴するポイント**とも言える。

東洋医学的な意味
・中焦(脾胃)に宿る“気の源”を動かし、**滞っている気を滑らかに再循環させる**
・「自分にとって必要なものだけを受け入れる力」をサポートする
・特に“感情を飲み込めない”状態や“受け入れたくない現実”に関連した胃のトラブルに適応
・太乙の位置は精神的にも“中庸を保つ”象徴的位置であり、極端な思考を中和する作用が期待される

臨床応用メモ
・「胃がギュッとつかまれるような感覚がある」「食後に胸が苦しくなる」などの症状を訴える人に有効
・タッチの感覚で“防御反応”が強く出る場合は、鍼ではなく温灸や掌での触圧から始めるとよい
・思考過多の人ほど太乙の反応が過敏になりやすい(=心が脾に影響する)
・関連経穴:**中脘、関門、内関、足三里、神門**などと組み合わせて心身両面にアプローチ可

セルフケア活用法
・軽く両手を当て、深呼吸しながら「今、私は何を受け入れたくないのか」と問いかけてみる
・温灸または腹式呼吸に合わせてやさしく円を描くように撫でると、自然と気持ちが落ち着いてくる
・“食べること”に罪悪感や不安を感じるタイプの人が、自分と仲直りするためのサポートにもなる

注意点
・過度の腹圧をかけることは避ける(特に満腹時や妊娠中)
・体力が落ちている人や高齢者では浅めの刺激、または温熱療法が適する
・精神的背景に強いストレスがある場合は、心理面への並行アプローチも推奨

→滑肉門(かつにくもん)

←関門(かんもん)

→足の太陰脾経

←手の陽明大腸経

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