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滑肉門(かつにくもん) |

滑肉門は、胃腸という川にかかる“関所”
食べ過ぎ・飲みすぎ・湿邪・感情の“飲み込みすぎ”すべての出口が詰まったときの要所
情緒的には「今、自分にとって何が過剰か」を見つめ直すヒントになる場所
英語
Stomach(ST)24
Huaroumen (Slippery Flesh Gate)
滑肉門(かつにくもん)
足の陽明胃経24
The Stomach Meridian of Foot Yangming
滑肉門
かつにくもん
katsunikumon
取穴部位
天枢穴(へその外2寸)の上1寸、水分穴(臍上1寸)の外2寸に位置。
腹直筋の外縁、触診では軽度な圧痛や、冷感・重だるさが目印になることもある。
筋肉
腹直筋(浅層)
運動神経
肋間神経(T7〜T8)
知覚神経
肋間神経前皮枝
血管
肋間動脈、上腹壁動脈、下腹壁動脈

主治
・胃の痞え(つかえ)、消化不良、食滞
・胸やけ、腹部の張り、腸の蠕動亢進による腹鳴・下痢
・妊娠初期の悪阻、嘔吐
・内臓下垂や筋肉の弛緩による消化管機能の低下
・脾胃虚弱からくる“力の出ない感覚”の補助点としても有効
名前の由来(オリジナル解釈)
「滑肉門」とは文字通り「肉を滑らせる門」。ここでの「肉」は単なる筋肉ではなく、**内臓を構成する“陰”の要素=水と血の融合体**と捉えられる。
つまり滑肉門とは、**陰分(=物質的側面)を円滑に流し、停滞させずに巡らせる“関所”**という意味を持つ。
また、「滑」は消化器系が本来持つ潤滑作用を示唆し、**“消化吸収→代謝→排泄”という循環の起点にあたる重要な通過点**といえる。
中医学的な意味
・胃経に属しながらも、**“脾の運化(うんか)”を支える陰のゲート**としての働きがある
・特に“飲食の不節”による湿邪の停滞や“脾胃虚弱”による水湿の停滞に対して有効
・女性の月経不順や子宮の冷えにも応用されることがある(特に湿濁型)
・“門”という名を持つように、他の臓腑へとつながる交差点的な位置にあり、
ここを整えることで**下腹部への過剰な湿の流入を防ぐ**効果も期待される
臨床応用メモ
・「食後すぐにお腹が鳴る」「食欲はあるが消化が追いつかない」といった症状に強い反応が見られることが多い
・特に水分の過剰摂取や、甘い物・乳製品・冷たい物を好む人にとっては反応点になりやすい
・精神的に“なあなあ”で自分に甘く、現実逃避しやすいタイプの人が、この部位に“湿気”として現れることがある
・関連経穴:**中脘、天枢、陰陵泉、豊隆、脾兪**などと組み合わせるとより効果的
セルフケア活用法
・指の腹で軽く押さえながら、食事前に「今から何を受け取ろうとしているか」を自覚すると、**無意識の暴飲暴食を防ぐことに役立つ**
・お灸や温熱パッドで温めることで、腸の働きが“ほどけるように”滑らかになる感覚が得られる
・「もやもやして何も手につかない」「やる気はあるけど身体がついてこない」という日にもおすすめ
注意点
・下痢・軟便が続く人には、やや抑制的な刺激(優しい手あてや灸のみに留める)を推奨
・妊娠中は担当の専門家と相談のうえ使用すること(特に初期)
・水滞・湿邪の多い体質では、一時的に倦怠感が出ることもあるが“排出の前触れ”として理解できる場合もある
→天枢(てんすう)
←太乙(たいいつ)
→足の太陰脾経
←手の陽明大腸経
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