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経絡・経穴(ツボ)

外陵(がいりょう)

静かに感情を抱えてきた下腹に、意識の光を当てる場所

下焦(生殖・排泄・根本的な生命エネルギー)を守り、支える

自分の「境界感覚」「本音」「心の守備力」に光を当てる経穴

ただの“お腹のツボ”ではなく、人生で抑圧してきた感情の墓標を温める場所

英語
Stomach(ST)26
Wailing(Outer Mound)

外陵(がいりょう)

足の陽明胃経26
The Stomach Meridian of Foot Yangming

外陵
がいりょう
gairyo

取穴部位
天枢穴の下1寸で、陰交穴の外方2寸。
臍の下1寸(曲骨と臍の中間)から外に指2本分の位置に取穴する。
仰臥位で腹部をリラックスさせ、指圧で圧痛や硬結の有無を確認しやすい。

筋肉
腹直筋(下部)

運動神経
肋間神経(T11〜T12)

知覚神経
肋間神経前皮枝

血管
浅腹壁動脈、下腹壁動脈

足の陽明胃経

主治
・下腹部の張り、痛み、冷え、月経困難
・小腸や大腸の蠕動異常による腹鳴、下痢、便秘
・泌尿器疾患(頻尿、残尿感、排尿困難)
・婦人科系:月経不順、帯下、下腹部の瘀血
・心理的な抑圧が下腹に表出するタイプの不調(感情の鬱滞)

名前の由来(オリジナル解釈)
「外陵」は、「外=身体の表」「陵=丘や隆起したところ、守る場所」から、
**“外界から内臓を守るための丘”**と解釈できる。
陰部近くに位置し、外敵(寒邪や湿邪)から“生殖・排泄・生命の中枢”を防衛する
**防衛線の一角**としての意味合いを持つ。
また“陵”には「埋もれているものを示す」意味もあり、
**下腹部に埋もれた未解決の感情や不調を表に引き出す役割**も担っている。

中医学的な意義
・胃経上にありながら、小腸・大腸・膀胱など下腹部の腑への影響が強い点穴
・“気の流れが停滞して冷えや痛みとなる”状況への対応に優れる
・月経前後の不快感や、排尿に関わる不調に特化した補助点として臨床活用される
・婦人科・泌尿器・消化器の三者にまたがる珍しい経穴であり、
 **「三焦(身体の内なる三界)」の接点としての意味合い**を持つ

臨床応用メモ
・下腹部の冷えによる「お腹が重だるい」「しゃがみたくなる」ような感覚に効果的
・「関元」「気海」などの補助として用いれば、下焦の“通じを開く”相乗効果がある
・婦人科の瘀血症状には、「血海」「三陰交」と組み合わせると血の巡りが改善しやすい
・泌尿器系のむくみ・尿トラブルには「陰陵泉」や「中極」と併せて整える

心理的側面(オリジナル視点)
「外陵」は“体の外に現れる感情の古墳”のようなもの。
・本当は怒っていたのに我慢していた
・本音を抑え込みすぎて下腹に鉛のような重さがある
・人との境界を守れず、エネルギーを奪われやすい
こうした人に、この部位が「沈黙している守備隊」のように反応する。
外陵を通して、**忘れていた“自分を守る感覚”を取り戻す**ことができる。

セルフケア活用法
・仰向けになり、手のひらで下腹を温めるように円を描く(のの字)マッサージが効果的
・湯たんぽやカイロで日常的に温めるだけでも、冷えによる不快症状が軽減する
・寝る前にここに手を当てて「今日はどんな気持ちを抑えた?」と問いかけてみると、
 **感情と身体のつながりに気づく手がかり**になる

注意点
・妊娠中(特に妊娠初期)は刺激を避けること(下腹部に位置するため)
・強い圧迫やマッサージは避け、穏やかに触れるのが原則
・急性腹症(激しい腹痛)のある場合は使用せず、緊急対応を優先

→大巨(だいこ)

←天枢(てんすう)

→足の太陰脾経

←手の陽明大腸経

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