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大巨(だいこ) |

腹の底にある“言えなかった声”に触れる経穴
消化器・生殖器・感情の交差点
「我慢しすぎた人」にとっての腹の声を聴く場所
便秘・下腹部の冷え・婦人科疾患・心理的停滞に幅広く対応
英語
Stomach(ST)27
Daju(Great Gigantic)
大巨(だいこ)
足の陽明胃経27
The Stomach Meridian of Foot Yangming
大巨
だいこ
daiko
取穴部位
天枢穴の下2寸、石門穴の外方2寸。
臍の下2寸(曲骨と臍を5等分したうちの下から2/5点)から外に指2本分の位置に取穴。
仰臥位で腹部を緩め、軽い圧で硬結や圧痛を探ると見つけやすい。
筋肉
腹直筋(下部)
運動神経
肋間神経(T11~T12)
知覚神経
肋間神経前皮枝
血管
浅腹壁動脈、下腹壁動脈

主治
・下腹部の膨満、冷え、疼痛、腹鳴、便秘、下痢
・月経不順、月経痛、子宮のうっ血感
・膀胱系のトラブル(排尿障害、残尿感、頻尿)
・精神的ストレスからくる下腹部の重だるさや締めつけ感
・特に「感情を溜め込みやすい腸タイプ」の人に適応
名前の由来(オリジナル解釈)
「大」は“広大”や“重要”、「巨」は“要塞”や“大きな中心”を意味する。
すなわち「大巨」は、**“下腹部における重要拠点”**の意味を持つと考えられる。
ここは腸と生殖器系の交差点であり、
**生命力・排泄力・感情力の『結節点』**として機能する部位。
現代人のストレスによる「腹部の締まり」「腸の感情反応」の要所とも言える。
中医学的な意義
・胃経でありながら、大腸・小腸・子宮・膀胱にまで影響を及ぼす下焦のキーポイント
・瘀血・寒邪・湿邪が集まりやすい“腹部の淀みエリア”に対応する
・「気滞血瘀(きたいけつお)」により、
気機の停滞と血の滞りが絡む下腹部の症状に極めて有効
・とくに**慢性便秘やガス溜まりに伴う情緒不安**には良効を示す
臨床応用メモ
・「気海」「関元」と組み合わせて下焦の“力”を補いつつ排泄力を整える
・「大巨 + 三陰交 + 血海」で瘀血タイプの月経痛にアプローチ
・下腹部の冷えと重だるさを訴える更年期・ストレス型の女性にも有用
・腹部に触れて硬結や冷感がある場合、**ここを温めるだけで全身が緩む例も多い**
心理的側面(オリジナル視点)
「大巨」は、“腸に溜まった言葉にならない想い”を映し出す場所。
・本当は言いたかったのに、言えなかったこと
・自分の意見を我慢して、飲み込んできた経験
・怒りや不満が身体の底で静かに発酵しているような感じ
このような未消化の感情は腸に留まり、気血の流れを妨げる。
「大巨」に手を当てて、“腹の声”に耳を澄ませるだけでも、
内臓と感情が再接続される感覚を得られる。
セルフケア活用法
・下腹部を温めながら、ゆっくりと呼吸を整える。
息を吐くたびに「力を抜いて、溜め込んだものを手放す」イメージが有効。
・大巨を中心に、下腹を“のの字”に軽く撫でるようにマッサージ(夜が特におすすめ)
・冷えが強い場合は、しょうが湿布や塩灸も相性が良い
注意点
・妊娠初期や妊娠希望者への強刺激は避ける(子宮に近接するため)
・急性の下腹部炎症が疑われる場合(激痛・発熱など)は刺激せず、医療機関へ
・腸閉塞や強い膨満感があるときは禁忌とする場合がある
→水道(すいどう)
←外陵(がいりょう)
→足の太陰脾経
←手の陽明大腸経
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