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経絡・経穴(ツボ)

液門(えきもん)

液門は、“感情のむくみ”に静かな通気口を開けるツボ。

耳・目・喉のつまった感覚は、心のうるおいが流れなくなったサインかもしれない。

英語
Triple Energizer(TE)2
Yemen(Humor Gate)

液門(えきもん)(滎水穴)

手の少陽三焦経2
Triple Energizer (Triple Heater TH) Meridian of Hand-Shaoyang

液門
えきもん
ekimon

取穴部位
手背において、第4中手指節関節(MP関節)の尺側(小指側)に取る。
薬指と小指の間の溝に指を滑らせると、関節下にわずかに凹んだポイントがある。そこが液門。

筋肉
第4背側骨間筋(深層に存在)

運動神経
尺骨神経(深枝)

知覚神経
尺骨神経浅枝

血管
第4背側中手動脈の枝

手の少陽三焦経

主治(臨床応用)
・耳鳴り、難聴、中耳炎など耳関連のトラブル
・目の充血、頭痛、特に側頭部の痛みに有効
・咽喉の腫れ、扁桃炎、声のかすれなど咽喉の急性炎症
・むくみ、水分代謝異常による倦怠感や重だるさ
・イライラやストレスによる情緒不安、心の水分バランスの乱れ

液門は「感情のうるおいの出入口」

名前の由来(オリジナル解釈)
「液」は津液(しんえき)すなわち身体の潤い・水分のこと。
「門」は“出入口”や“通過点”を意味する。
つまり「液門」とは、気血に伴う水の流れが皮膚表面に出入りする門
滎穴(水が泉のように湧き出す場所)に位置することから、
“内にたまった情緒や水分が、指先を通して解き放たれる出入口”と解釈できる。

怒りの熱と悲しみの水が混ざるとき、液門はその調停役となる。

象徴的な意味・精神的意義
・液門は「感情があふれ出す場所」でもある。
・泣きたくても泣けない、言いたくても言えない時、
 その感情の“水”が指先に滞り、気の流れをせき止める。
・液門を開くことは、言葉にならない感情に「出口」を与える行為である。
・三焦経の“水と火の調整経”としての役割からも、
 液門は“感情の洪水”を治める「閘門(こうもん)」のような存在。

液門は、心の水圧が高まったときの緊急排水バルブ。

臨床応用のヒント
・水分代謝の悪い人(むくみ、のぼせ、目の腫れ)に使うとスッと抜ける
・耳の詰まり感、飛行機での気圧変化による耳鳴に応急で使える
・怒りを抑圧して泣けない、喉が詰まるような患者に液門刺絡が有効なこともある
・体液がこもっている感じ、寝汗がひどい、のどが乾いて飲んでもスッキリしないときにも使える

セルフケア・養生法
・人と話せずストレスを抱えたとき、薬指と小指の間を揉んでみると落ち着く
・喉が重く、言葉が詰まりそうなときに優しく押してみる
・目が腫れて涙が出にくいとき、液門を冷湿布するとすっきりすることがある

詩的な表現
・「液門は、心の涙を静かに外へ流す門」
・「閉じ込めた感情の水圧が高まったとき、薬指がそっと知らせてくれる」
・「火と水が交わる三焦において、液門は調和の最初の一滴となる」

→中渚(ちゅうしょ)

←関衝(かんしょう)

→足の少陽胆経

←手の厥陰心包経

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