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経絡・経穴(ツボ)

陽池(ようち)

陽池は、“熱くなった心に、冷静さを還元する泉”である。

静かに生きたいすべての人に、そっと湧き水のような力を届ける。

英語
Triple Energizer(TE)4
Yangchi(Yang pond)

陽池(ようち)(原穴)

手の少陽三焦経4
Triple Energizer (Triple Heater TH) Meridian of Hand-Shaoyang

陽池
ようち
yochi

取穴部位
手背、手関節の背側横紋の中央で、総指伸筋腱と小指伸筋腱の間に取る。
手を軽く握り、関節のくぼみに指を滑り込ませるようにすると、ぴたりと指先が納まる小さな「池」がある。そこが陽池。

筋肉
伸筋支帯、総指伸筋腱、小指伸筋腱(浅層)

運動神経
橈骨神経(深枝)

知覚神経
後前腕皮神経(橈骨神経の枝)

血管
背側手根動脈網、後骨間動脈

手の少陽三焦経

主治(臨床応用)
・手関節痛、手のだるさ、腱鞘炎、ばね指
・目の疲れ、視界のぼやけ、眼精疲労からくる頭痛
・のぼせ、寝汗、ホットフラッシュ、微熱感
・感情の起伏、情緒不安、気分の高揚と落ち込みの反復
・甲状腺の機能異常、ホルモンバランスの乱れ(特に更年期)

陽池は、“陽気をたたえ、めぐらせる心の泉”

名前の由来(独自解釈)
「陽」は生命の温かさ、活動、光を意味し、「池」はそれを一時とどめる静寂の場所。
つまり「陽池」とは、熱やエネルギーが溜まり、整えられ、静かにめぐる“陽の泉”である。
このツボは、外へ向かいすぎた陽気が暴走しないよう、心身の中心でバランスをとる役割を果たす。

感情が熱くなりすぎた時、“陽気”を収める冷静な鏡。

象徴的な意味・精神的意義
・陽池は「沈静の中の活力」。静けさを保ちながら内に陽の気を抱く場所。
・エネルギーが高ぶって眠れないとき、自分を俯瞰して見る力をくれる。
・仕事や対人関係での「張り詰めた陽気」を、柔らかく「溜め直す」スイッチのような存在。
・陽池を通して、“行動”ではなく“在ること”の力を取り戻せる。

陽池は、湧き上がる行動欲求を調律する「静かな動力源」。

臨床応用のヒント
・眼精疲労+のぼせには、陽池+太衝(足の肝経)で上下の熱を調整。
・怒りやすさ、焦り、不眠には、陽池と神門(心経)をセットで使用。
・産後・更年期など、気と熱が入り混じる時期に効果的。
・冷えのぼせ(上熱下寒)には、陽池の灸+腎兪の温灸も有効。

セルフケア・養生法
・デスクワークやスマホの酷使で“目が熱い”と感じるときは、
 陽池に冷感オイルで軽くマッサージ。目の曇りが晴れる感覚に。
・手首を反らしながらゆっくり深呼吸を3回。
 手の甲に流れる気が一気にほどける。
・灸で温めると、頭のモヤモヤがふっと鎮まることもある。

詩的な表現
・「陽池は、光を湛える静かな泉」
・「心が熱を帯びたとき、陽池に手をあてて静かに整える」
・「手首のくぼみにあるこの池は、感情の反射鏡」
・「陽池に触れることで、人は“沈黙する勇気”を思い出す」

→外関(がいかん)

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→足の少陽胆経

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