
歯周病
英語
Periodontal Disease
Gum Disease
Periodontitis
歯周病は、歯を支える歯茎や骨が細菌の感染によって炎症を起こし、溶けて歯が抜けてしまう病気です。歯周病の特徴とおすすめ鍼灸のツボまで詳しく解説。
もくじ
執筆者
歯周病とは
歯周病は、歯を支える組織(歯茎や骨)が細菌の感染によって炎症を起こし、進行すると、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や歯を支える骨などが溶けて歯が抜けてしまう病気です。

歯周病の原因
歯垢(プラーク)に潜む細菌が歯茎に炎症を引き起こす
不適切な歯磨き
喫煙
ストレス
糖尿病など基礎疾患
歯周病の症状
歯茎の腫れ
歯茎の出血(初期)
歯がぐらつく
口臭が強くなる(進行)
固いものが噛みにくい(噛むと痛い)
最終的に歯が抜ける
歯周病の原因菌が血管の細胞に障害を与え細菌性心内膜炎などを引き起こす可能性が高まる。
歯周病のステージ
歯周病には4つのステージがあります。
ステージ1(軽度歯周病)
歯茎に軽度の炎症が見られる。歯周ポケットの深さは3mm未満。
ステージ2(中度歯周病)
歯茎の腫れと出血が続き、歯周ポケットが4~5mmに深くなる。骨の損失が始まり、歯を支える組織に影響がでる。
ステージ3(重度歯周病)
歯周ポケットが6mm以上に深くなる。歯の支持骨が大きく損失する。
歯茎の退縮や歯の動揺が見られる。
歯周病による痛みや不快感が強くなる。
ステージ4(末期歯周病)
歯を支える骨がほとんど失われる。歯が動揺して抜け落ちることがある。
歯周ポケットは深く、炎症が広がり、歯の機能が著しく低下。
歯の喪失が避けられない場合が多い。
歯槽膿漏(しそうのうろう)とは
歯槽膿漏とは、歯周病が進行して歯槽骨が溶け、膿(うみ)が出るようになった状態を指します。
通常、歯周病が悪化した結果として歯槽膿漏が発生します。
この段階では、歯茎から膿が出る、歯がぐらつく、口臭が強くなるなどの症状が現れることがあります。
歯周病は歯槽膿漏を含む広い概念であり、歯槽膿漏は歯周病が進行して膿が出るようになった状態を指します。

歯周病の歯科医院での治療
歯科医院
歯石除去抗炎症剤
抗生物質
口腔内洗浄
口腔外科
外科的歯周治療(フラップ手術)歯茎を切開して、歯の根の部分の歯石や汚れを取り除いたり、歯周ポケットを縮小させたりして、歯周病の進行を抑えることを期待する方法です。
歯周組織再生手術
骨や歯茎の退縮が進んでいる場合、人工的な材料を使用して、歯周組織や骨の再生を促進する方法です。
歯の抜歯
進行した歯周病で歯が動いたり、歯の根に大きな感染が広がった場合、歯の抜歯後、インプラントや義歯での修復を検討する方法です。
軟組織移植手術
歯茎が退縮して歯の根が露出してしまっている場合、歯茎を再生するために軟組織移植が行われることがあります。
骨移植手術
歯を支える骨が失われた場合、人工的な骨を移植する手術が行われることもあります。
歯周病菌とは
歯周病は細菌感染が主な原因ですが、必ずしも「歯周病菌」が全ての人に悪影響を与えるわけではなく、生活習慣や免疫力なども影響します。
歯周病菌の繁殖
歯周病菌は、歯の表面や歯茎の間にたまるプラーク(歯垢)に存在します。
これらの菌が何らかの要因で繁殖し、歯茎に炎症を引き起こす原因となります。
炎症が進行すると、歯周組織が破壊され、骨や歯を支える組織が失われていきます。
代表的な歯周病菌
Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンギバリス)
Tannerella forsythia(タネレラ・フォルシチア)
Treponema denticola(トレポネーマ・デンティコラ)
などが、特に歯周病を引き起こしやすい菌として知られています。
クリーニングや消毒で歯周病菌が全くなくなるのも困る?
口腔内の細菌が全くなくなるのは問題になります。
実は、口内には有益な細菌も多く存在しており、細菌は健康な口腔環境を保つために非常に重要な役割を果たしています。
消毒によるリスク
完全に口腔内の細菌を消毒してしまうと、悪玉菌だけでなく、善玉菌も殺してしまうことになります。口腔内の免疫バランスの崩壊
善玉菌が減ることで、悪玉菌が自由に増えやすくなり、歯周病や虫歯などのリスクが高まります。口内フローラの乱れ
善玉菌が減ると、口腔内のフローラ(細菌の生態系)が乱れ、異常な細菌の増殖を招きます。これがさらに炎症や感染を引き起こすことがあります。口臭の悪化
善玉菌が口腔内の有害な物質を分解したり、口腔内の健康を保つ役割を持っているため、これらがいなくなると口臭が悪化することがあります。口腔内の細菌を完全に消毒することは好ましくありません。
そのため、定期的で過剰な消毒剤の使用や強力な薬剤による殺菌は避け、日常的な適切な口腔ケア(歯磨き、フロス、うがい)を行うことが一番大切です。
善玉菌を増やすには?
善玉菌を増やすためには、食生活が非常に重要です。
口腔内や腸内の健康をサポートする、プロバイオティクス(善玉菌を直接補う食品)や、プレバイオティクス(善玉菌の餌となる食品)を摂取することが効果的です。

おすすめの食品
善玉菌を増やす食べ物
ヨーグルトやケフィアプロバイオティクス食品として知られ、善玉菌が豊富に含まれています。特に、発酵乳製品は口腔内の健康をサポートし、細菌バランスを整える助けになります。
発酵食品
味噌、納豆、キムチ、ザワークラウトなど、発酵過程で生まれる善玉菌(乳酸菌など)が豊富に含まれています。これらは腸内環境にも良い影響を与え、口腔内の善玉菌も間接的に増やします。
食物繊維が豊富な食品
野菜、果物、全粒穀物などに含まれる食物繊維は、善玉菌の餌になります。特に、オリゴ糖やフラクトオリゴ糖を多く含む食品(例:バナナ、玉ねぎ、大豆、アスパラガスなど)は善玉菌の増加を助けます。
オメガ-3脂肪酸
魚(特にサーモン、イワシなど)、亜麻仁油、チアシードなどに含まれるオメガ-3脂肪酸は、炎症を抑える働きがあり、口腔内や腸内の健康をサポートします。 緑茶や紅茶お茶
カテキンが豊富な緑茶や紅茶は、口腔内の健康に良い影響を与え、悪玉菌の抑制に役立つとされています。また、口腔内の抗菌作用も期待できます。
善玉菌を守るために避けたいもの
過剰な糖分
糖分は悪玉菌の栄養源となり、増殖を助けます。特に砂糖や甘い飲み物は注意が必要です。過度なアルコールやタバコ
口腔内の善玉菌にダメージを与える可能性があります。日常生活でできること
水分補給
適切な水分を摂ることで、口腔内の環境を健康に保ち、細菌のバランスを整えます。歯磨
善玉菌を保ちつつ、悪玉菌を取り除くために、優れた口腔ケアを実践することが大切です。適切な食品や生活習慣で、口腔内や腸内の善玉菌をしっかりとサポートし、健康なバランスを保つことが大切です。

悪玉菌は全くいらない菌なの?
悪玉菌も適度に存在することには役割があり、全くなくなることが理想ではありません。
悪玉菌は、病原菌として感染症を引き起こす可能性がある一方で、腸内や口腔内でのバランスを保つという役割もあります。
病原菌は、免疫システムが働きかける対象となり、免疫系はこれらの悪玉菌に反応して戦うことで、免疫力を高めることができます。
悪玉菌が完全にいないと、良い細菌も弱くなる可能性があり、免疫反応の中で悪玉菌とのバランスが崩れると、逆に健康に害を与えることもあります。
腸内フローラ(細菌の生態系)にはさまざまな菌が共存していますが、悪玉菌もその一部です。全てが悪いわけではなく、その役割が適切に調整されることで、腸内や口腔内の健康が保たれます。
大切なのは、善玉菌と悪玉菌がバランスよく共存することで、悪玉菌を完全に除去することではありません。
歯周病の予防
歯磨き(歯垢をしっかり除去)
デンタルフロスや歯間ブラシを使う
生活習慣の改善(食生活・禁煙など)
過度の歯科クリーニングは口腔内バランスを崩す恐れ

歯周病で使用する経絡・経穴(ツボ)の例
鍼灸や指圧治療として
迎香
禾髎
承漿
巨髎
など
※市販の「お灸」をする時の参考としても使用できます。

パニック障害
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参考文献
歯周病の新常識
小西昭彦 (著)
阿部出版
2020/8/4発売
名医は虫歯を削らない 虫歯も歯周病も「自然治癒力」で治す方法
小峰 一雄 (著)
竹書房
2016/11/8発売
関連外部リンク
Periodontitis - Symptoms and causes
Mayo Clinic
Periodontal Disease (Gum Disease)
Cleveland Clinic
Periodontal (Gum) Disease
National Institute of Dental and Craniofacial Research (.gov)