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中風七穴 |

英語
Extra points-Literature
EX-LT
Zhòngfēng Qī Xué
Medium Wind Seven Hole
文献の経穴 奇穴
中風七穴
(ちゅうふうななけつ)
Chufunanaketsu
取穴部位
中風(脳血管障害・半身不随など)の治療に用いられる七つの経穴の組み合わせであり、単独の経穴ではなく治療処方として伝えられている。
古典文献には主に二つの配穴説がある。
第一説
百会、曲鬢、肩井、風市、足三里、懸鐘(絶骨)、曲池
第二説
百会、風池、大椎、肩井、間使、曲池、足三里
いずれも「頭部・体幹・四肢」を段階的に整える構成になっている点が共通している。
筋肉・関連組織
各経穴は頭皮筋、僧帽筋、三角筋、上腕筋群、大腿筋群、下腿筋群など広範な運動筋に関係する。
運動神経
顔面神経、副神経、橈骨神経、尺骨神経、腓骨神経など運動機能に関わる主要神経が関与する。
知覚神経
三叉神経枝、頚神経叢、腕神経叢、腰神経叢など。
血管
浅側頭動脈、椎骨動脈、上腕動脈、大腿動脈、前脛骨動脈など。
主治
中風(脳卒中後遺症)
半身不随
言語障害
顔面神経麻痺
手足の麻痺・しびれ
歩行障害
めまい
筋緊張異常
名前の由来
「中風」とは古典医学で脳卒中や急激な麻痺症状を指す言葉であり、風邪(ふうじゃ)が経絡を閉塞することで発症すると考えられていた。
本処方は、その中風に対して用いる七つの要穴で構成されているため「中風七穴」と呼ばれる。
臨床的意義
この配穴は単なる数合わせではなく、身体の上部から下部へと順に機能を回復させる構造を持つ。
①百会・風池などの頭部穴
→ 脳の覚醒・気血の上昇調整
②肩井・大椎など体幹穴
→ 上半身の気血循環の回復
③曲池・間使など上肢穴
→ 手の運動機能回復
④足三里・懸鐘・風市など下肢穴
→ 歩行能力・下肢筋力の回復
このように「中枢から末梢へ機能を再起動する」という構造がある。
取穴の実践的ポイント
・麻痺側を中心に刺激する。
・初期は軽刺激、回復期は運動訓練と併用する。
・筋の硬結や反応点を優先して微調整する。
特に曲池・足三里は運動機能回復の基本穴として古くから重視されている。
臨床応用例
● 半身不随
百会・曲池・足三里を中心に施術し、回復に応じて肩井や風市を加える。
● 言語障害
百会・風池を中心に施術し、必要に応じて廉泉などを補助的に用いる。
● 歩行障害
足三里・懸鐘・風市を主体とし、下肢筋力の回復を促す。
その他重要事項
中風七穴はWHO標準経穴の名称ではないが、古典文献に基づく「治療配穴法」の一つとして伝えられている。
つまり新しい独立した経穴ではなく、既存の重要経穴を体系的に組み合わせた治療戦略である。
この考え方は、現代リハビリテーション医学における「中枢から末梢への機能回復」という概念とも通じる部分がある。
古典医学が経験的に見出した脳卒中回復の配穴体系として、現在でも臨床応用されることがある。

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