
胃炎
英語
Gastritis
胃痛、吐き気、嘔吐、胸やけ、食欲不振など、胃炎に効くツボまで詳しく解説
もくじ
執筆者
胃炎とは
胃炎とは胃の粘膜の炎症のことです。
急性胃炎と慢性胃炎にわけられます。

急性胃炎
急性胃炎(acute gastritis)は外因性、内因性の刺識により、急激に発症する胃の病変です。
びらん、潰瘍、出血などを伴います。
胃炎の原因が消失すれば短期間(2~3日)で治癒する病変で、原則として慢性化することはないと定義されています。
慢性胃炎
慢性胃炎(chronic gastritis)という疾患は日常診療で頻繁に使用されている病名であるが、疾患の概念や定義が確立されていません。
胃への何らかの刺激が長期間続いて慢性化すると、胃の粘膜が萎縮(萎縮性胃炎)してしまいます。
萎縮性胃炎が続くと、胃の粘膜が腸の粘膜のよう(腸上皮化成)になってしまいます。
腸上皮化成の一部ががん化し、胃がんへと成長してしまうことがあります。

胃炎の概念
胃炎は内視鏡的胃炎、組織学的胃炎、症候性胃炎(symptomatic gastritis)の異なる概念が混同されている。
肉眼的・組織学的に炎症所見がみられない,症候性胃炎が機能性ディスペプシアに相当します。
器質的疾患の疑いがある慢性胃炎は、内視鏡検査を行います。
胃炎の原因
ストレス
精神的ストレス身体的ストレス(熱傷、外傷、手術、検査)
薬剤
粘膜障害性薬剤非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)、副腎皮質ホルモン薬、抗生物質,抗悪性腫瘍薬、経口血糖降下薬など
ロキソニン、ボルタレン)、インドメタシン(インダシン)、イブプロフェン(ブルフェン)、カロナール、など
腐食性薬剤
酸アルカリ
農薬
飲食物
アルコール香辛料
暴飲暴食
食物アレルギー
感染性疾患
細菌ピロリ菌
敗血症
蜂窩織炎性胃炎
医原性要因
上部消化管内視鏡検査、肝動脈塞栓療法(TAE)、抗がん剤、食道静脈瘤硬化療法、放射線照射など
胃炎の症状
胃炎の症状は、胃痛、吐き気、嘔吐、胸やけ、食欲不振などがあります。
胃もたれ
食物が胃の中に停滞しているような不快感。
早期膨満感
食事開始後すぐにお腹がいっぱいになるような感じで、それ以上食べられない感じ。
心窩部痛
胃がキリキリ痛い。心臓が悪いのではないか、組織障害が起こっているのではないかと感じるような不快な症状。
心窩部灼熱感
みぞうちのへんに熱感を伴う不快感。

胃炎の鑑別疾患
胃濃瘍
胃がん
ヘリコバクターピロリ感染症
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)
ヘリコバクター・ピロリ陽性慢性胃炎とは
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori:HP)菌の感染診断を行い、陽性の場合はヘリコバクター・ピロリ陽性慢性胃炎として除菌治療を行います。
神経性胃炎とは
神経性胃炎とは、人間関係や過労などの精神的なストレスや極度の疲労などが原因で自律神経がバランスを崩して起こる胃炎のことです。

びらん性胃炎(胃びらん)とは
胃の粘膜が炎症を起こし、ただれてしまっている状態です。
急性が多く、胃痛、吐き気、胃部不快感などが主な症状です。
慢性の場合は自覚症状が無いことが多いです。
アフタ性胃炎とは
アフタとは「赤い斑点」という意味ですので、アフタ性胃炎は内視鏡で胃の中を見たときに、赤い斑点がみられる胃炎ということです。
感染症や炎症の初期段階が考えられます。
胃腸炎は人にうつるの?
胃炎の中には、うつるものもあります。
ウィルス性胃腸炎や細菌性胃腸炎は、人から人にうつります。
飛沫感染と接触感染が主な感染経路です。
胃炎の対策
食事を2回程度抜いて胃を休める(おかゆやスポーツドリンクなど消化にいいもので栄養補給する)
胃酸分泌を抑制する薬や胃粘膜を守る薬で症状を緩和
牛乳を飲んで胃の粘膜を保護する
バナナ・リンゴなど消化に良く栄養価の高いものを摂る
マグネシウムの多い食材を摂取する(そば、きび、全粒粉パン、玄米)

胃炎の病院での薬物治療
胃炎の原因となっている薬剤を中止することで胃炎が治まることがあります。
胃炎の治療で基本的に使用される薬剤は
PPI
H2ブロッカー
消化管運動促進薬
など
胃炎で使用する経絡・経穴(ツボ)の例
鍼灸や指圧治療として
肝兪
脾兪
胃兪
中脘
内関
天枢
巨闕
足三里
合谷
三陰交
など
※市販の「お灸」をする時の参考としても使用できます。

中医学から見た胃炎
中医学では「胃症」や「腐膜症」として分類されます。
原因は「悪食」「悪気」「悪情」「魔気」など、現代医学と違い、簡易に分析されませんが、探定により実際の身体の細かな対応が可能です。
中医における胃炎の要因分析の例:
- 肝胃不和:ストレスや感情の不通から胃の活動が小さくなる
- 肝火上揚:怒りや感情の浸上から脱節の温熱が胃を突き上げたもの
- 食傷穏堂:暴食、違う食べ合わせで胃に精満し、活動を阻害
- 脱体、脱湯:気血不足により胃脂が温養されず寒凍する
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参考文献
慢性胃炎と診断されたら最初に読む本
甲斐 猛 (著)
ASIN : B096Z6FZX7
2021/6/9発売
胃炎の成り立ち―内視鏡診断のこれまで、これから
寺尾 秀一 (著), 九嶋 亮治 (監修)
シービーアール
2023/11/11発売
関連外部リンク
Gastritis
MedlinePlus (.gov)
Gastritis
Cleveland Clinic
Gastritis
Mayo Clinic